2018年竣工
病院再開発整備完了後、近年の医療需要の変化に対応するため、現状の問題点等について重点的に検討を行い、機能強化を図る目的で計画されたもので、具体的には、手術部の拡張、がんセンターの強化、ICUの充実、周産期医療の充実、MRIの充実(将来6台を想定)、入院医療の療養環境の向上を主な目的とした建物です。
手術部は既存の北中央診療棟手術室と同じ3階で、免震建物同士を免震EXP.Jで接続し、既存と同じ手術室の運用方式が可能となる負担の少ない拡張計画としました。
がんセンターは増床し、分散していた化学療法室、がんサロン、緩和ケアセンター、分子生物細胞診療室等を1階に集約配置し強化を図っています。2階ICUは4床増床し、動線の短縮化と、病床が視認しやすいスタッフステーションの配置構成としました。将来の総合周産期母子医療センターを視野にいれ、4階にMFICU、5階にNICU、GCUを配置しています。3階の手術部から2~5階へ接続する大型専用EVによりスムーズな搬送や分娩等の緊急手術に迅速対応可能な計画としています。6階の病棟はレディース病棟として特化し、アメニティと療養環境の向上に配慮した計画としました。
外観は既存病院部分のデザインコードを踏襲しながら、アルプスの山々の稜線をイメージさせる傾斜を設けた屋根により、病院として群施設のまとまりと景観の融和を図りました。内装はメンテナンスフリーの床材を基調として、患者さんの利用する諸室と病室は木目調の腰壁と消臭殺菌効果のある壁紙を採用し、家庭的で清潔な療養環境を目指しました。
建築主 | 国立大学法人信州大学 |
---|---|
所在地 | 長野県松本市 |
主要用途 | 大学病院 |
延床面積 | 12,040m2 |
構造 | SRC造(免震構造) |
階数 | 地上7階、地下1階 |